【MotoGP】どうなる!?ロッシが画策する“完全イタリアンパッケージ”の陣容|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
第10戦チェコGPが終了した夕刻、大方の予測通りバレンティーノ・ロッシ(フィアット・ヤマハ)が今季限りでヤマハを離れ、来年からドゥカティに移籍することを発表した。
契約期間は2年。2011年と2012年の2シーズンを、イタリア出身の世界的スーパースターがイタリア製のマシンでMotoGPを戦うことになる。
このドゥカティ移籍は以前から既成事実のように噂されており、ロッシ自身も「チェコGPの決勝後に明らかにする」と表明していただけに、今回の発表は特に大きな衝撃を呼ぶこともなく、どちらかというと冷静に受け止められた感がある。だが、ようやく公式発表を迎えただけ、とはいってもニュース価値の大きさは疑いようがなく、月曜のイタリア各紙は、今回のレースで優勝を飾ったホルヘ・ロレンソよりもロッシの移籍を揃って大きく扱った。
注目は、ロッシの移籍に伴い、ヤマハのタイトルスポンサーとなっているフィアットもドゥカティへ移るのかどうか。また、ホンダ時代からロッシを支え続けてきたチーフメカニックのジェレミー・バージェスが、果たして今回も帯同するのかどうか、というところに集まっている。
現在、ヤマハワークスのメインスポンサーとなっているフィアットは、イタリア最大の自動車企業で、フェラーリもその傘下にある。また、フェラーリとドゥカティ両社も親密な企業関係を築いており、これらの要因から、選手、マシン、スポンサーの“完全イタリアンパッケージ”の確立が噂されている、というわけだ。
ジェレミー・バージェスは、ホンダ時代にワイン・ガードナーやミック・ドゥーハンというチャンピオンのチーフメカニックを務め、最高峰クラスへ昇格してきたロッシが三顧の礼を尽くして迎え入れた、という経緯がある。
ロッシがヤマハへ移籍した際には、バージェスは最後まで自らの移籍に難色を示したものの、ロッシの再三にわたる説得が功を奏して決断に至った。そのバージェスも現在は57歳。引退も視野に入れていると言われる中、帯同を渋るのも理解できる話だ。
一方のロッシは31歳。肉体的には下り坂にさしかかりつつある年齢だが、精神面の成熟と差し引きすれば、2輪ロードレースの世界ではおそらく今後の2年がチャンピオンを獲る最後のチャンスになるのかもしれない。王座を獲得するための完璧な体制を築きたいのは、当然のことだろう。
バージェスの動向は未定だが、もし彼と袂(たもと)を分かつことになったとしても、ドゥカティにはフィリポ・プレツィオージという天才的なエンジニアがいる。バイク事故により脊髄を損傷し、車椅子の人となったプレツィオージは、文字どおり、ドゥカティのマシン設計の頭脳といってもいい存在だ。
今回のロッシの移籍劇は、互いに天才として敬意を抱く両者の親密な交流の賜物、という側面も見逃せない。
“熟練技術者”バージェスの欠けた穴は、プレツィオージという“天才設計士”が埋め合わせる、と見ることは充分に可能だ。
さらに、注意をしておきたいのが、2011年と2012年の2年契約、というところだ。現在のMotoGPは800ccエンジンで争われているが、2012年からは、1000ccの新エンジンや量産車のモディファイエンジン混在が可能になる方向へと、ルールが変更される。
過去を振り返れば、125ccデビューを果たしたときも、250ccや最高峰の500cc(当時)へ昇格を果たしたときも、ロッシは2年以内に必ず王座をものにしてきた。
ヤマハに移籍した2004年は、チャンピオン争いからほど遠い陣容だったにもかかわらず、移籍初年度に王座を獲得した。当時のヤマハと比べれば、ドゥカティは現状でも充分に優勝争いを狙えるポテンシャルを備えている。
ロッシの加入で、そのポテンシャルが現在以上に強大なものになるのは明白で、彼がかつて在籍したホンダとヤマハにとっては、このうえなく強大なライバルとなることもまた、確実だろう。
MotoGPが大きな曲がり角を迎えるこれからの2年にチャンピオンを獲得するという劇的な演出を、ロッシが視野に入れていないはずがないのだ。
ドゥカティ、V.ロッシとの契約を発表 | The Official MotoGP Website
ドゥカティ・コルセは15日、バレンティーノ・ロッシと2011年から2年間の合意に達したことを発表した。
第10戦チェコGPの決勝レース後、ブルノのパドックに設置したドゥカティのホスピタリティにて、プレスカンファレンスが行われ、ドゥカティ・モーター・ホールディングの代表ガブリエレ・デル・トルチオ、プロジェクトリーダーのアレッサンドロ・チコニャーニ、チームマネージャーのビットリアーノ・グアレスキが参加。
デル・トルチオは、イタリア出身の現王者起用に関して、「バレンティーノ・ロッシが2011年から我々と共に参戦することとなり、それを発表できることが嬉しいです」と、説明。
「彼はモーターサイクル界のエクセレントなモデルです。イタリアンファクトリーにとって、エクセレントなメイド・イン・イタリーの模範であり、テクノロジー、デザイン、スポーツにおける成功のカギが評価されます。」
「それに、両者の願望に火がつき、この合意は、このチャンスを信じ、我々の決断を支援共有したドゥカティ・チームの全てのスポンサーと我が社の株主たちの支援により、可能となりました。」
ジェネラルディレクターのフィリッポ・プレジオーシは、「最初にバレンティーノはモーターサイクルの大ファンで、常に彼の意見を聞くことは喜びでした。バレンシアGPまでは、ライバルです。非常にグレートなライダーの1人であり、我々の勝利にとって、常に特別な価値となりましたが、もう直ぐ、ドゥカティを初めて走らせます。」
「彼の素晴らしいタレントを証明するバイクの開発において、一緒に働きます。バレンティーノとの仕事は、全てのエンジニアたちにとって感動的なことであり、来季グレートなチャンスがあることは素晴らしいことです」と、歓迎した。









